人形劇の高等教育機関

2021年02月26日

ウニマ(国際人形劇連盟)のアメリカ・センターが、人形劇を学ぶことが出来る高等教育機関のリストを公開している。北米・南米、ヨーロッパ、アジア・オセアニアまで及んでいて、かなり包括的なリストだと思う。ただこれは、人形劇を実践として学ぶ人(役者、演出、舞台美術、人形美術)のための機関で、人形劇理論や人形劇史の研究機関のリストじゃない。

https://www.unima-usa.org/schools-for-puppetry-training

人形劇理論・人形劇史の研究機関についてもっと知りたい。ひとまず、私が訪れたことのある研究機関を下記にまとめておく。今後、もっと他の可能性が分かり次第、このページに追記していこう。

1)ドイツ人形劇フォーラム(Deutsches Forum für Figurentheater und Puppenspielkunst/ドイツ、ボーフム)

リサーチャー・イン・レジデンスも受け入れている。人形劇図書館(それほど大きくないが)の中に住みながら研究できる。ドイツ語圏を中心に世界各国の人形劇雑誌や図書、映像資料を所蔵。現代人形劇フェスFIDENAの事務局も同じ建物内にある。人形劇研究の雑誌も発刊し、映像資料の所蔵も豊富なので、欧州現代人形劇についての研究に向いている。

https://www.fidena.de/portal/forschungszentrum/researcher-in-residence/mn_65

2)ミュンヘン博物館人形劇コレクション(Münchner Stadtmuseum Sammlung Puppentheater/ ドイツ、ミュンヘン)

ミュンヘンは所謂「人形劇ルネサンス」(19世紀末における人形劇の芸術的転回)が起きた場所。ミュンヘンを中心とした人形劇史関連資料が、よく整理された形で豊富に所蔵されている。書籍だけでなく、人形やポスターなどの現物資料も豊富(上掲写真はここ)。博物館の人形劇展示室に付属した研究所なので、展示の管理や企画も行っている。人形劇展示は、「見世物」(移動遊園地)展示のとなりにあり、そのため20世紀以降の現代人形劇や芸術としての人形劇というよりは、19世紀以前の、グロテスク・民衆的側面がやや強調された作りとなっている。

https://www.muenchner-stadtmuseum.de/sammlungen/puppentheater-/-schaustellerei


3)ドレスデン国立美術館付属人形劇コレクション(Puppentheatersammlung Dresden/ ドイツ、ドレスデン)

このブログ記事で詳説。すごく詳しい研究員がいます。

https://puppentheatersammlung.skd.museum/

4)国際人形劇インスティテュート(Institut International de la Marionnette/ フランス、シャルルヴィル・メジエール)

https://marionnette.com/en

国立の人形劇学校、École Nationale Supérieure des Arts de la Marionnette (ESNAM)を併設した研究機関。毎年世界からリサーチャー・イン・レジデンスを数名採用し、研究場所と、生活費補助を支給。私は 2020年9月に4週間のリサーチャー・イン・レジデンスに採用されていたが、コロナで延期。2021年9月には巨大なフェスティバルがあるがその期間は研究滞在できないので、いつへ延期するか考え中…

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