フェリツィオ人形劇場(ドイツ・ベルリン)

2018年03月31日

操演技術、発声、人形美術、どれも最高! すばらしい人形劇場。ベルリン一番のオススメかもしれない。
https://www.felicio.de/

プロイスおじさんのフィルレファンツ人形劇場と同じく、アッカーマンおじさんがチケット受付、キャンディー売り、カーテン開け閉め、上演、終演後のポストカード売り・・・・・・、全てを一人でやっている。

こんな風に、一人で全てを行うというのがベルリン東独人形劇場の一つのスタイルなのだろうか。さっきまで棒付きキャンディーを売っていたおじさんが、やおら入り口の黒カーテンを閉めて、身をかがめて舞台の裏へと入っていく。上演ベルがビーッと鳴らされて、音楽が流れ始める。人形が登場する・・・ 

たった一人の人形劇場、全く問題なく機能している。劇場のすみからすみまで、芸術家のこだわりがきちんと感じられて、すごくいいスタイルだと思う。

「ハリネズミとうさぎのかけくらべ」という演目を見た。糸操り人形(マリオネット)で、登場人物は二匹のハリネズミカップル、鼻持ちならないウサギ、気の良いカタツムリ、フクロウ、小鳥、チョウチョ。ウサギは、かけくらべに勝ったら、賞金で森の仲間を追い出して、大きなヨガスタジオ/フィットネスクラブを建設しようとしている・・・・・・ 
マリオネットの操演技術が見事。とにかく声色が多彩で、特にとぼけた味わいの声がうまい。どの登場人物も、アッカーマンおじさんの飄々とした人柄がにじみ出ているのか、力が抜けていて、素直に大笑いしながら見ることができる。人形美術も良い。バルバラ・ヴァインホルトさんという人形美術家による。

壁の色は青色とオレンジ色。シャンデリアと小さなミラーボール。
旧東独の人形劇場のポスターが沢山飾ってあるが、その劇場のうちかなり多くはもう無くなってしまった。アッカーマンさんも、トロイさんとおなじくDDR時代のベルリン演劇大学人形劇科を卒業している。

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